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2019.9.30
九州民家大学 シリーズ2 建築環境学入門①

9月21、22日の両日で、東京都市大学名誉教授の宿谷昌則先生の講演会を拝聴するために福岡県久留米市へ。宿谷先生は「エクセルギー」という概念を建築環境へ応用するために今も研究を続けられています。

そもそも、現在広く一般化しているすまいづくりに違和感を感じている建築系の有志団体が主催しているこのプログラム。右向け右で何でも「こうしなければ遅れる」という同調圧力が蔓延して、ものごとの本質を見ずに思考停止に陥ってはいまいか…そんな危機感が背景にあります。

宿谷先生は建築環境を身体の延長であると捉え、かつ地球環境の縮図であるとも考えられています。つまり環境の入れ子構造として建築を考えようということです。熱力学を含めた物理の基本的な知識は必要ですが、何とか踏ん張ってついて行こうと思います。ただ、今回の受講生は建築の専門家以外の方もいらっしゃいますので、先生の講義は一般の方々にもわかりやすいものとなっています。「情理を尽くす」という先生のご姿勢でしょうか…

自然のリズムの中に素直に身をおこうとすると、重要なのは「放射の調整」(=放調)であって機械的な「空気調和」(=空調)は前者を活かすために使ったほうが良い、というイントロからグイグイ引き込まれていきます。
つい先日の台風15号は千葉県で大停電を引き起こしました。熱中症で亡くなられた方もいらっしゃいますが、マスコミの多くは停電が長期化したことでエアコンが使用できなかったためだろう、という論調です。決して間違いではないのですが、建築的に適切な断熱(実はこの言葉も疑わしい…熱を断つ物質などありません)と日除けによって室内の熱環境コントロールは可能です。
エアコンだけに頼り、”電気が止まると死んでしまう”ようなすまいづくりは避けなければなりません。

ご興味のある方はご一緒に学んでいきましょう。
単発での参加もできるようです、詳しくは下記書類からお問い合わせください。
九州民家大学シリーズ2 講義予定表