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2019.9.10
金沢建築巡り

先日、日本建築学会大会で金沢に行きました。
自分の学術発表の日以外はほとんど建築三昧、久しぶりに清冽な気持ちを味わいました。
その中のいくつかをご紹介します。

鈴木大拙館/設計:谷口吉生

  

アプローチからの全景。左奥の白いヴォリュームが「思索空間棟」で、前面に「水鏡の庭」が広がっています。

  

正面の「外部回廊」の裏が「玄関棟」、左側の石壁の奥が「展示棟」。「外部回廊」に建つ2本の柱位置に震撼。この場所でなければならない厳しさを感じます。右の写真は「思索空間棟」開口部のディテール。シンプルですがやはり相当に厳しい…。


国宝  瑞龍寺

  

高岡まで足をのばし、瑞龍寺に参拝。9時の開門と同時に入りましたが、既に建築関係者と思しき方々がちらほら…総門を潜った先には山門、仏殿、法堂が一直線に並び、左右に回廊を巡らして諸堂を左右対称とした伽藍配置です。圧巻でした。


金沢湯涌江戸村の商家

  

比較的小規模な「たてもの園」のような施設内にある、江戸後期の街道沿いの商家。通りに面して「ドマ」と「ミセノマ」が並び、奥に延びる「トオリニワ」にそって各室が配置されています。「ミセノマ」の空気感が何ともいえず心地よい…

  

表に面した建具は摺り上げ戸。なぜかホッとする簡素な納まり(苦笑)。「ミセノマ」の上部にツシ2階が見えます。右の写真は「トオリニワ」からの見返し。


石川四高記念文化交流館/設計:山口半六・久留正道

  

旧学制下のいわゆるナンバースクール、旧第四高等中学校本館を交流施設として保存活用しています。左の写真は正面玄関からみて左半分。西日に反射しているのは白煉瓦と釉薬煉瓦。右の写真と見比べるとなかなかチャーミングです。

  

2階の廊下と復原された当時の教室です。半端な位置にある柱型が気になるトコロ…机と椅子は一体化されて作られています。

というわけで、鈴木大拙館以外は図らずも江戸初期から近代までザっと200年程の間の建築をほぼ2日で観て回りました。
学会発表も大きな問題はなくスリ抜け(?)、夜は地魚と地酒で舌鼓、とても有意義な時間を過ごしました。